日本版「LOHAS」を考えよう
新しいライフスタイル「LOHAS」とは?
LOHASとは”Lifestyles of Health and Sustainability”の略称で、健康で持続可能なライフスタイルを意味します。
米国や欧米の先進国では健康で環境にやさしい「ライフスタイル」を求める人々が急増しています。人々の価値観の変遷を15年以上に亙って調査してきたポール・H・レイ氏は、この新しい価値観を持つ人が米国では人口の1/4に達していると試算しており、この人達を「The Cultural Creatives(文化創造者)」と名づけています。
調査を開始した1986年には、LOHAS市場は米国で約2兆円の市場規模に過ぎなかったのが、現在は約25兆円(2289億ドル)の規模に達しており、LOHASコンシューマーは6300万人(成人の約30%)の巨大マーケットに発展しています。
LOHASの市場カテゴリーは、次の5つの分野に分けられています。
1)持続可能な経済 765億ドル
ソーラーエネルギー、ハイブリッドカー、社会的責任投資など
2)健康生活 300億ドル
健康食品、サプリメント、オーガニック食材など
3)代替医療 307億ドル
予防医学、ホメオパシー、代替ヘルスケアなど
4)自己啓発 106億ドル
教育研修、ヨガ、フィットネス、太極拳など
5)エコロジカル産業 812億ドル
エコツーリズム、環境に配慮した住宅とインテリアなど
なぜ今「LOHAS」か?
20世紀は大量生産、大量消費により、豊かな経済、便利な生活を手に入れる一方で、環境汚染、地球温暖化の弊害が表面化し、経済活動の発展に対して深刻な反省と問題を提起しています。環境問題解決(CO2削減)の困難に直面し、21世紀には従来の大量生産、大量消費に代わる新しい省エネ型の産業形態と新しいライフスタイルが求められているのです。
従来の価値観に囚われない新しいライフスタイル、社会正義に基づく新しいライフスタイル「LOHAS」は、従来の産業の代替案の一つで、新しい産業創生の提案でもあります。
この新しいライフスタイル「LOHAS」を求める人達は高学歴、高収入の人が多く、その60%が女性であるといわれていますが、「LOHAS」賛同者は、新しい価値観に基づく「文化創造者」と言ってよいでしょう。
「LOHAS」は米国で生まれた用語ですが、上記の市場カテゴリーから解釈すると、イタリアでは「スローフード」、フランスやイギリスでは「グリーンツーリズム」が「LOHAS」に該当するようです。
薬膳料理は日本版「LOHAS」と言ってもよいかも知れません。わが国では、明治に入って西洋医学が主流となったため、漢方などの東洋医学はアンダーグラウンドの医学とされ、長い間低迷を余儀なくされましたが、生体に及ぼす薬草の効果を分子レベルで追跡し、薬効の真偽を科学的根拠をもって立証できるようになりました。植物成分の薬効を正確に調べることが出来れば「機能性食品」として、付加価値の高い食材を市場に送り出すことができます。
「家庭=ハウス・ガーデン」というイメージも、「ヒートアイランド」となったコンクリートジャングルの中に建つ高層マンションの対極にあるもので「LOHAS」に相応しいものです。今こそ、東京一極集中の逆を行く、新しい価値観が求められるべきでしょう。
都市生活者の農村への大量移住は、地産地消の促進、食糧の自給自足、農村の再生につながり、アグリビジネスと地域経済の活性化は日本経済の質的転換にも大きく寄与することは間違いありません。
以上の観点からみて、高齢化、過疎化で崩壊寸前の農村を建て直すためにも、日本における「LOHAS」の拡大発展は、「田舎暮らし」と「農村の活性化」に求めるのが有益と考えられます。